吹き付け塗装

2026.11.02

吹き付け塗装は早いから安い?実際はそうとは限らない、塗装工事の材料費と施工方法のお話

昔の戸建て住宅では、モルタル外壁が多く採用され、リシンやスタッコ、吹き付けタイルなど、吹き付けによる外壁仕上げが一般的でした。

しかし、時代とともに住宅の外壁仕様は変化し、現在では窯業系サイディングを使用した戸建て住宅が多くなっています。

日本窯業外装材協会が紹介している調査資料によると、新築戸建て住宅における窯業系サイディングのシェアは、1987年には24%でしたが、2020年には80%に達しています。

こうした住宅の変化とともに、外壁塗装の施工方法も変わってきました。

今回は、昔からある吹き付け塗装について、施工方法や費用、材料の使用量という視点から考えてみたいと思います。

吹き付け塗装は早いから安い?

吹き付け塗装には、広い面積を効率よく施工できるというメリットがあります。

そのため、昔から「吹き付けは作業が早いので、ローラー塗装より安くできる」というイメージを持たれている方もいらっしゃると思います。

確かに、施工条件が整っていれば、吹き付けの方が効率よく作業できる場合があります。

しかし、塗装工事の費用は、単純に作業時間だけで決まるものではありません。

吹き付け塗装では、塗料が空気中に飛散したり、塗装機やホースの内部に残ったりすることがあります。

また、近隣住宅や車、窓、植木などへの塗料の飛散を防ぐため、広範囲の養生が必要になる場合もあります。

つまり、作業が早くても、材料のロスや養生費用、機械の準備や清掃などを含めて考えると、必ずしも吹き付けの方が安いとは限りません。

材料の使用量を考えていますか?

塗装工事を比較するとき、私が注目していただきたいのは塗料の使用量です。

塗料にはメーカーが定めた標準塗布量や所要量があります。

例えば、外壁面積が150㎡で、所要量が1㎡当たり0.3kgの製品なら、計算上は45kgとなります。

ただし、これはあくまで計算上の数量です。

実際の現場では、外壁の凹凸、模様の深さ、下地の吸い込み具合、既存塗膜の状態、施工方法などによって、必要な材料の量は変わります。

吹き付けの場合は飛散によるロスも考えなければなりません。

ここで注意したいのは、用意した塗料の量と、実際に外壁に付着した塗料の量は同じではないということです。

メーカーの資料でも、吹き付け施工では飛散や機械内部への付着が塗装ロスの要因として挙げられています。

メーカーの指定と現場の実際

塗装工事では、メーカーの施工仕様を守ることが基本です。

特に2液型塗料の主剤と硬化剤の混合比は、決められた配合を正確に守らなければなりません。

重量比なのか容量比なのかも確認が必要です。

希釈率、可使時間、塗り重ね時間、乾燥条件なども同様に重要です。

これらを職人の感覚で勝手に変更してはいけません。

一方で、メーカーが示す標準塗布量については、現場の状態を考えずに数字だけを当てはめればよいというものでもありません。

外壁の形状や下地の状態によって、実際の施工量は変わります。

材料によっては、現場の形状や施工方法によって、計算上の数量をそのまま外壁に付着させることが物理的に難しい場合もあります。

だからといって、塗料を無理に厚く付けたり、指定された工程を省いたりしてよいわけではありません。

メーカーの施工仕様を理解し、現場の条件に合わせて適切に施工することが大切です。

高価な塗料を使えば良い工事になるのでしょうか?

もう一つ、塗装工事で大切にしていただきたいことがあります。

それは、使用する塗料の管理です。

特に2液型塗料の場合、主剤と硬化剤を指定された比率で混合する必要があります。

私自身、さまざまな現場に応援で入ることがありますが、はかりを使って正確に計量していない現場を見かけることもあります。

もちろん、すべての現場がそうだという話ではありません。

しかし、2液型塗料の混合比は、目分量で済ませてよいものではありません。

特に高機能な塗料や高価な材料の中には、施工条件や材料管理がシビアな製品もあります。

汎用性の高い材料と同じ感覚で扱えるとは限りません。

せっかく高価な塗料を使用しても、指定された混合比を守らなかったり、可使時間や施工条件を無視したりすれば、本来の性能を発揮できない可能性があります。

高い材料を選ぶことと、その材料を正しく扱うことは別の話です。

大切なのは、塗料の価格やグレードだけではなく、メーカーの仕様を理解し、適切に施工できるかどうかだと考えています。

最近の戸建て住宅ではローラー塗装が選ばれる理由

現在の住宅地では、隣家との距離が近い建物も少なくありません。

吹き付け塗装では風の影響を受けやすく、塗料が予想外の場所まで飛散するリスクがあります。

そのため、飛散防止の養生や施工環境への配慮が必要になります。

こうした条件を考えると、最近の戸建て住宅ではローラー塗装の方が適しているケースが多くあります。

もちろん、吹き付け塗装が悪い工法というわけではありません。

既存の模様を再現したい場合や、意匠性のある仕上げを求める場合など、吹き付けが適している現場もあります。

大切なのは、工法の新旧や価格だけで判断するのではなく、建物の状態や周辺環境、仕上がりの希望に合わせて選ぶことです。

渡邊塗装が大切にしていること

私たち渡邊塗装は、職人直営店として、材料の選定から施工方法まで、現場の状態を見ながら考えることを大切にしています。

吹き付けだから安い、ローラーだから高いという単純な話ではありません。

使用する材料、必要な数量、施工時間、養生、飛散対策など、工事全体を見て判断する必要があります。

メーカーの仕様を守ることは当然です。

そのうえで、実際の現場では何が必要なのかを見極めることも、職人の大切な仕事だと考えています。

塗装工事は、塗料のグレードや価格だけでは判断できません。

どんな材料を、どのような下地に、どのような方法で施工するのか。

そうした工事の中身を知っていただくことが、納得できる塗装工事につながると思います。

大阪市鶴見区・職人直営店
渡邊塗装

より良いご提案、一緒に考えましょう。

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