外壁塗装の下塗り材|シーラー・プライマー・フィラー・サビ止めの違いとは?
外壁塗装では、仕上げの上塗り塗料に目が行きがちですが、実はその下に何を塗るかが非常に重要です。
外壁の材質や劣化状態によって、塗料の吸い込み、下地の脆さ、密着性、ひび割れや凹凸などが違うため、下塗り材も変わります。
代表的な下塗り材には、
・シーラー
・プライマー
・フィラー
・サビ止め塗料
などがあります。
ただし、現在は複数の機能を兼ね備えた材料も多く、名前だけで役割を完全に分けることはできません。
大切なのは、「その下地に何が必要なのか」を見て材料を選ぶことです。
シーラーとは?
シーラーは、主に下地への塗料の吸い込みを抑えたり、脆弱な下地を補強したり、上塗りとの密着性を高めるために使われます。
モルタル、コンクリート、ALC、スレートなど、塗料を吸い込みやすい下地では特に重要です。
下地が塗料を吸い込みすぎると、色ムラや艶ムラ、塗料の使用量増加などにつながる可能性があります。
そこでシーラーによって下地の吸い込みを調整し、上塗り塗料が均一な塗膜をつくりやすい状態にします。
ただし、シーラーなら何でも同じではありません。
水性・溶剤系、1液・2液、エポキシ系など、製品によって性能や適用下地が異なります。
浸透性シーラーと造膜型
シーラーには、下地の内部へ浸透して固めるタイプがあります。
劣化して表面が脆くなった下地では、表面だけを覆うのではなく、内部まで浸透して補強することが必要になる場合があります。
一方、吸い込みの大きい下地では、浸透だけでなく表面に膜をつくって吸い込みを抑える必要がある場合もあります。
中には、「浸透+造膜」の両方の機能を持つシーラーもあります。
つまり、
「浸透するか、膜をつくるか」だけでなく、
下地の状態に対して、どこまで浸透させ、どの程度吸い込みを抑える必要があるか
を考えて選ぶことが重要です。
プライマーとは?
プライマーも下塗り材の一種で、一般的には下地と上塗り塗料の密着性を高める目的で使用されます。
ただし、
「シーラー=吸い込み」
「プライマー=密着」
と完全に分けられるわけではありません。
シーラーにも密着性を高める製品がありますし、プライマーにも浸透や防錆など、複数の機能を持つものがあります。
メーカーによって呼び方も異なるため、名前ではなく、製品の仕様と下地との相性を見ることが大切です。
鉄部にはサビ止め
鉄部では、外壁のような吸い込み対策よりも、防錆と密着性が重要になります。
鉄は水や酸素などの影響で腐食し、サビが発生します。
そのため、
・鉄骨
・手すり
・鉄製階段
・門扉
・シャッター
・鉄製の付帯部
などには、適切な素地調整を行ったうえで、サビ止め塗料などの防錆性を持つ下塗り材を使用します。
ここで重要なのが、サビ止めを塗る前のケレンです。
浮いたサビや劣化した旧塗膜などを適切に除去し、塗料が密着できる状態をつくります。
基本的には、
ケレン
↓
必要に応じたサビ処理
↓
サビ止め・防錆下塗り
↓
上塗り
という流れになります。
フィラーとは?
フィラーは、シーラーやプライマーとは少し役割が違います。
主に外壁表面の細かな凹凸を調整したり、微細なひび割れなどに対応したりして、上塗りしやすい下地をつくる材料です。
分かりやすく言えば、
フィラーは外壁の「ファンデーション」のような役割
です。
ただし、単純に凹凸を隠すだけではありません。
下地を調整して表面を整え、上塗り塗料を均一に仕上げやすくすることが目的です。
また、フィラーは厚く塗れば良いわけでもありません。
製品ごとに適切な塗布量があり、必要以上に厚く塗ると、タレやピンホールなどの施工不良につながる可能性があります。
シーラーとフィラーを兼ねる材料もある
現在の下塗り材には、シーラーとフィラーの機能を兼ね備えた製品もあります。
吸い込みを抑えながら、下地の凹凸を調整するなど、複数の役割を一つの材料で持たせたものです。
このように、最近の下塗り材は機能が複合化しています。
だからこそ、
「これはシーラーだから」
「これはフィラーだから」
という名前だけで判断するのではなく、製品が持つ機能を見ることが重要です。
下塗り材は「下地を見て」選ぶ
下塗り材を選ぶときに一番大切なのは、現在の下地がどういう状態なのかです。
例えば、
吸い込みが大きい外壁
→ 吸い込みを抑えるシーラー
脆弱な下地
→ 浸透して固めるタイプのシーラー
吸い込みが激しく、表面の膜も必要
→ 浸透+造膜タイプ
凹凸や微細なひび割れを調整したい
→ フィラー系
鉄部のサビ対策
→ ケレン+防錆性のある下塗り材
密着性が重要な素材
→ 素材に適したプライマー・シーラー
というように、目的によって選択が変わります。
下塗りは上塗りを支える土台
どれだけ高性能な上塗り塗料を使っても、下地との相性が悪ければ本来の性能を発揮しにくくなります。
塗料を吸い込みすぎる下地、脆くなった下地、密着しにくい素材、凹凸のある下地、サビのある鉄部。
それぞれ必要な下処理と下塗り材が違います。
だからこそ、
「上塗りに何を塗るか」だけではなく、
「その塗料を何の上に、どんな下塗り材で塗るのか」
まで考えることが大切です。
渡邊塗装が考える「下塗り」
私たちは、下塗り材を単純に「1回塗れば終わり」とは考えていません。
外壁の素材、吸い込み、劣化状態、ひび割れ、凹凸、旧塗膜との密着性などを確認し、その下地に必要な機能を考えて材料を選びます。
シーラーなのか、プライマーなのか、フィラーなのか。
浸透性が必要なのか、造膜性が必要なのか。
鉄部ならサビ止めが必要なのか。
大切なのは、「何を塗るか」よりも「なぜ、その材料を使うのか」です。
下地をきちんと見極め、必要な材料と工程を選ぶ。
その上に中塗り・上塗りを重ねて、初めて仕上げの塗膜が完成します。
外壁塗装は、最後に見える上塗りだけではありません。
見えなくなる下塗りこそ、仕上がりと塗膜を支える大切な工程です。





