「外壁診断士」や「ホームインスペクター」の死角。最後に施主へ伝えたい本音
外壁塗装やリフォームの現場を見ていると、最近は「外壁診断士」の資格を持った営業マンや、「ホームインスペクター(住宅診断士)」に家を見てもらったというお客様が増えてきました。
第三者の目を入れたり、専門家の意見を聞くこと自体はとても良いことです。しかし、現場の職人目線から言わせてもらうと、「資格を持っている=家のすべてを完璧に把握できる」わけではない、それぞれの『死角』が存在します。
今回は、それぞれの診断の裏側と、これからの家づくり・メンテナンスで大切なことについてお話しします。
1. 外壁診断士の死角
民間資格である「外壁診断士」は、外壁や防水に関する基礎知識を学ぶには良い資格です。しかし、大きな死角は「実際の現場で何年も手を動かして納まりを解決してきた経験(場数)」とイコールではないという点です。
マニュアル通りの「劣化診断」になりがちで、今回のパワーボード(ALC)の目地(幅5ミリ・吹付けパターン乗せ)のような、現場ごとの生々しい判断の機微までは読み取りにくい。
「とりあえず全部打ち替えましょう」と教科書通りの提案をしてしまい、逆に建物の意匠性や本来の防水バランスを崩してしまうリスクもある。
2. ホームインスペクターの死角
建築士などの資格者が多い「ホームインスペクター」は、建物全体の構造や大きな欠陥を見るプロです。しかし、こちらも万能ではありません。
非破壊検査が基本のため、壁の中のコーキングの硬化具合や、目地内部の細かい劣化までを完全に暴くことはできません。
あくまで「今の状態のコンディションチェック」がメインであり、「じゃあこの状態に対して、今の意匠性をどう残して最善の塗り替えをするか」という塗装・改修の具体的な施工ノウハウまでは専門外であることが多い。
最後に:お互いが納得できる選択をするために
診断士やインスペクターの報告書を片手に、ネットでかじっただけの知識で「ここはこうあるべきだ!」と業者を一方的に縛り付けてしまうのは、少しもったいないことやったりします。
もちろん、業者を丸投げで信用しろとは言いません。ただ、資格の名前や肩書だけで判断するのではなく、施主側も「なぜこの提案になっているのか」「防水性と意匠性のトレードオフはどういうことか」といった背景を少しだけ知っておくこと。
そうやってお互いの知識や背景をすり合わせながら、我が家のコンディションに一番合った方法を一緒に選んでいく。それが結果的に、一番大切なお住まいを守る近道なんやないかと思います。 







