渡邊塗装が考える「外壁は洗う?塗る?」
「汚れ」と「劣化」は、分けて考えたほうがいい。
最近、「外壁洗浄」という言葉をよく見かけるようになりました。
「外壁塗装をするほどではないけど、汚れが気になる」
「塗り替えより、まず洗ってきれいにしたい」
こう考える方が増えるのは、自然なことだと思います。
実際、外壁の状態によっては、洗浄だけで十分な場合もあります。
渡邊塗装は塗装屋ですが、
「外壁が汚れているから、とりあえず塗りましょう」
という考えではありません。
むしろ大事なのは、
その汚れは「洗えば落ちる汚れ」なのか、それとも「外壁や塗膜が劣化しているサイン」なのか。
ここを分けて考えることだと思っています。
外壁の汚れには、いろいろな原因があります
一般的な窯業系サイディングなどでは、時間が経つとさまざまな汚れが付着します。
例えば、
・黒っぽい汚れ
・カビのような黒ずみ
・緑色の藻やコケ
・雨だれ
・土やホコリ
・排気ガスなどによる汚れ
などです。
ただし、見た目が黒いからといって、全部が「黒カビ」とは限りません。
また、緑色になっているからといって、すべてが同じ種類の藻やコケとも限りません。
外壁は、日当たり、湿気、風通し、雨の当たり方などによって、汚れ方がかなり変わります。
黒い汚れは、なぜ付くのか?
外壁に付く黒っぽい汚れには、カビなどの微生物が関係している場合があります。
特に、
・日が当たりにくい
・湿気が残りやすい
・乾きにくい
・風通しが悪い
といった場所では、こうした汚れが発生しやすくなります。
ただし、黒い汚れ=必ず黒カビ、というわけではありません。
ホコリや排気ガスなどが付着して黒く見える場合もあります。
だからこそ、見た目だけで「これはカビだから塗装が必要」と決めつけるのは早いと思います。
緑色の藻やコケも、外壁の劣化とは限りません
北側や日陰など、乾きにくい場所では藻類などが発生することがあります。
雨が降ったあとに水分が残りやすかったり、日当たりが悪かったりすると、こうした汚れが目立つことがあります。
これも、
「緑色になった=外壁そのものがダメになった」
という単純な話ではありません。
表面に付着した藻や汚れであれば、洗浄によって改善できる場合があります。
雨だれも「外壁そのものが悪い」とは限りません
外壁の窓まわりなどに、縦方向の黒い筋が入っていることがあります。
いわゆる「雨だれ」です。
雨が外壁を流れるときに、ホコリや大気中の汚れなどを一緒に動かし、特定の場所に汚れが集まって筋状に残ることがあります。
そのため、比較的新しい外壁でも雨だれが付くことがあります。
雨だれがあるからといって、すぐに外壁塗装が必要というわけではありません。
ここが一番大事
「汚れ」と「劣化」は別物です
外壁を考えるとき、ここを一緒にしてしまうと話がおかしくなります。
例えば、
洗浄で改善できる可能性があるもの
・ホコリ
・土汚れ
・表面的な雨だれ
・藻
・カビなどによる表面汚れ
・その他の付着汚れ
こういったものなら、状態によっては洗浄だけで十分な場合があります。
一方で、
洗浄だけでは元に戻らないもの
・塗膜の劣化
・チョーキング
・塗膜の剥がれ
・ひび割れ
・サイディング自体の割れや反り
・シーリングのひび割れや剥離
・金属部分のサビ
こういったものは、単純に表面を洗ったからといって元に戻るものではありません。
つまり、
「汚れているから塗装」でもないし、「洗えば全部解決」でもない。
ということです。
サイディングメーカーのニチハも「洗う」という方法を案内しています
ここは、塗装屋としても非常に重要なところだと思っています。
サイディングメーカーのニチハも、窯業系サイディングのお手入れ方法として、水洗いなどによる清掃を案内しています。
ホコリや土などの汚れについては、ホースや布などを使った清掃が紹介されています。
藻やカビなどについても、水洗いや中性洗剤などを使ったお手入れ方法が案内されています。
つまり、
「外壁が汚れたら、とにかく塗り替える」
という考え方ではないんです。
メーカー自身が、外壁の状態に応じた日常的なメンテナンスとして「洗う」という方法を案内しています。
ただし、洗えば何でも解決するわけではありません
ここも大事です。
ニチハは、外壁材の状態を確認するとき、
・外壁材そのもの
・塗膜
・シーリング
・金属部材など
を、それぞれ確認することを案内しています。
つまり、表面の汚れだけを見るのではなく、
外壁そのものに問題がないか、塗膜が劣化していないか、シーリングが傷んでいないか。
そこまで見る必要があります。
「セルフクリーニング外壁なら汚れない」は少し違います
最近は、雨で汚れを流しやすくする機能を持った外壁材もあります。
ニチハには「マイクロガード」という機能があります。
これは外壁表面を親水性にすることで、雨水が汚れを流しやすくする考え方です。
ただし、これも「絶対に汚れない」という意味ではありません。
ニチハの説明でも、マイクロガードは排気ガスやスス、ホコリ、土などの汚れには効果がありますが、藻やカビについては十分に落とすものではなく、薬剤によって発生を抑える考え方になっています。
つまり、
セルフクリーニング機能がある外壁=永久に洗浄不要
ということでもありません。
外壁の種類や環境によって、汚れ方は変わります。
洗浄と塗装は、そもそも目的が違います
ここを分けると、かなり分かりやすくなります。
洗浄
目的は、
「汚れを落として、外壁をきれいにすること」
です。
塗装
目的は、
「劣化した塗膜や外壁を状態に応じて保護・維持すること」
です。
だから、
「汚れているけど塗膜はまだ問題ない」
のであれば、洗浄という選択肢があります。
反対に、
「汚れもあるけど、塗膜自体が劣化している」
のであれば、洗浄だけでは根本的なメンテナンスにはなりません。
同じ「外壁が汚い」という見た目でも、中身は全然違うわけです。
最近ちょっと気になること
外壁洗浄の広告を見ていると、
「外壁塗装は高すぎる」
「汚れを落としたいだけなのに、なぜ塗装するの?」
「塗装する前に、まず洗浄」
といった内容を見かけることがあります。
洗浄のメリットを伝えること自体は、もちろんいいと思います。
実際、洗浄で済む家なら、無理に塗装する必要はありません。
ただ、
「洗浄を勧めるために、塗装屋を悪者にする必要まであるんかな?」
とは思います。
そこまで塗装屋を下げんでもええんちゃう?
必死か!
……と、ちょっと思ってしまいます(笑)
洗浄にも、いろいろな方法があります
ここも一括りにはできません。
一般的な高圧洗浄と、低圧で薬剤などを使って行う外壁洗浄では、方法そのものが違います。
特に塗装工事の前に行う高圧洗浄は、古い塗膜や汚れをしっかり落とすことが目的になります。
一方で、外壁の美観を回復させることを目的とした洗浄では、低圧で洗浄する方法などもあります。
だから、
「外壁洗浄=高圧洗浄」
でもありません。
逆に、
「高圧洗浄は全部ダメ」
という話でもありません。
目的によって、使う方法が違うということです。
低圧洗浄なら、どんな家でもできるわけではありません
低圧での外壁洗浄を考える場合でも、現場で安全に作業できる条件は必要です。
例えば、
建物の周囲に、洗浄作業ができる程度のスペースが確保されていること。
これは大切です。
家と家の間が極端に狭い場合など、作業そのものが難しいこともあります。
「低圧だから、どんな家でも簡単に洗える」
というわけではありません。
じゃあ、結局「洗う」のと「塗る」の、どっちがいいの?
答えは、
家の状態によります。
これしかありません。
例えば、
ケース①
外壁は少し黒ずんでいる。
でも塗膜の状態は問題ない。
ひび割れもない。
シーリングも問題ない。
こういう場合なら、
「まず洗浄してみる」
という考え方は十分ありだと思います。
ケース②
外壁は汚れている。
さらにチョーキングも出ている。
塗膜の劣化も進んでいる。
シーリングにも劣化が見られる。
こうなると、
洗浄だけでは、外壁のメンテナンスとしては不十分
ということになります。
ケース③
汚れがひどく見えるけれど、実際には外壁そのものや塗膜の劣化が原因だった。
この場合も、単純に洗えば解決する話ではありません。
だからこそ、
「汚れている」という見た目だけで判断しないこと
が重要なんです。
渡邊塗装が考える「外壁メンテナンス」
渡邊塗装は塗装屋です。
だからといって、
「外壁が汚れていたら全部塗装しましょう」
とは考えていません。
洗浄で十分な状態なら、洗浄という選択肢を考えればいい。
逆に、外壁や塗膜が劣化しているなら、
「洗えばきれいになるから大丈夫」
で終わらせるのも違います。
大事なのは、
「洗うか、塗るか」を先に決めることではありません。
まず、
「今の外壁は、どういう状態なのか」
を見ることです。
外壁は「見た目」だけでは判断できません
外壁が黒くなっている。
緑色になっている。
雨だれがある。
こうした見た目だけなら、洗浄で改善できる可能性があります。
しかし、
・チョーキング
・塗膜の劣化
・ひび割れ
・サイディングの割れや反り
・シーリングの劣化
などが出ていれば、話は変わります。
だから外壁メンテナンスでは、
「汚れているか」だけではなく、「劣化しているか」を見る。
これが大切だと思います。
「洗う」という選択肢が増えたことは、悪いことではありません
これまで、
「外壁が汚れてきた」
↓
「そろそろ塗装かな」
と考える人が多かったと思います。
でも現在は、
「まず洗浄してみる」
という選択肢もあります。
これは、消費者にとって悪いことではありません。
むしろ、
外壁の状態に合わせて選択肢が増えることは、いいことだと思います。
ただし、その選択肢を正しく使うためには、
「汚れ」と「劣化」を分けること。
ここが重要です。
まとめ
外壁は、
汚れているから、必ず塗装。
でもありません。
逆に、
洗えば、ずっと塗装しなくていい。
でもありません。
洗浄と塗装は、それぞれ目的が違います。
表面の汚れなら、洗浄で改善できる場合があります。
一方で、塗膜や外壁そのものが劣化しているなら、洗浄だけでは元に戻りません。
だからこそ、
「洗うか、塗るか」ではなく、まず「何が原因なのか」を見る。
それが外壁メンテナンスでは大切だと、渡邊塗装は考えています。
塗装屋だから何でも塗装を勧める。
そんな仕事はしたくありません。
必要なら洗えばいい。
必要なら塗ればいい。
その家にとって何が必要なのかを、一緒に考える。
それが、渡邊塗装の考える外壁メンテナンスです。





