基礎巾木のひび割れ補修と塗装。気密性の高い現代の家で「透湿性」が重要な理由
外壁や屋根の塗装をするとき、意外と見落とされがちなのが「基礎巾木(はばき)」の塗装です。
「ひび割れを直して、とりあえず綺麗に塗っておけばいいか」と思われがちですが、実はここ、近年の住宅の構造を考えるとすごく重要なポイントなんです。
今回は、基礎巾木のひび割れ補修のあとに何を塗るべきか、プロの視点で解説します。
1. 最近の住宅と「基礎の湿気」の関係
近年の住宅は気密・断熱性が高く、床下換気(基礎パッキン工法など)によって「床下に湿気がたまらないように空気を流す」構造が主流です。
家全体の空気がうまく循環するようになっているため、基礎コンクリート自体も「湿気を外に逃がす(呼吸する)」構造であることがとても大切になります。
2. ひび割れ補修後に普通の塗料を塗るとどうなる?
基礎にヘアークラック(細かいひび割れ)を見つけたとき、モルタルなどで補修するのは必須の工程です。
問題はそのあと。もしここで、普通の防水性の高い外壁用塗料やベタッとした厚塗りの塗料を塗ってしまうと、床下からの湿気の逃げ場がなくなってしまいます。
結果として、コンクリート内に湿気が閉じ込められ、塗膜の膨れや剥がれ、さらにはコンクリート自体の劣化を早める原因になってしまいます。
3. 下塗りは「カチオンシーラー」でガッチリ固める
ひび割れ補修をしたあとの重要な第一歩が、下塗り選びです。
基礎コンクリートやモルタルは経年で劣化しやすいため、「カチオン系の下塗り(浸透性・微弾性シーラーなど)」を使用します。
コンクリートの奥まで浸透・密着し、下地自体を強くする
吸い込みをしっかり抑え、上塗りの密着不良を防ぐ
ここで厚塗り系のフィラーなどで目地や呼吸を完全に塞いでしまうと、上塗りの透湿性を殺してしまうため、基礎専用のシステムに合った下塗りを選ぶことが鉄則です。
4. 上塗りは「透湿性 + 撥水性」の専用塗料を選ぶ
下塗りで下地を整えたあとの仕上げ(上塗り)に求められるのは、一見矛盾する以下の機能です。
水滴や雨(液体の水)はしっかり弾く(撥水性)
微細なひび割れに追従する柔軟性(微弾性)はある
でも、床下からの湿気(水蒸気)は外へ逃がす(透湿性)
一般的な「弾性塗料」はゴムのように伸び縮みして湿気も閉じ込めてしまいますが、現在の基礎専用塗料は「微弾性を持ちながら、湿気はしっかり通す」という特殊な設計になっています。
まとめ
基礎巾木の塗装は、ただ見た目を綺麗にするだけではありません。
「ひび割れ補修 ➔ カチオン系シーラーでの下地強化 ➔ 透湿・撥水性を持つ専用上塗り」
この一連の流れを守ることで、家の構造(床下の気流や湿気対策)を損なうことなく、住まいの健康を長く守ることができます。
ご自宅の基礎が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。







